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Team 片手業・TV : 新番組、第1話、時代劇、水戸黄門、視聴談など

まゆゆ(渡辺麻友・AKB48)と稲森いずみ。本を愛する二人が仕事と恋で大バトル!!『戦う!書店ガール』。書店さん、出版界さん、元気にな~れ!!!

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー

原作:碧野圭『書店ガール』シリーズ

脚本:渡辺千穂 演出:白木啓一郎 木内健人 プロデューサー:山下有為 沖貴子 松井洋子

W主演:渡辺麻友 稲森いずみ

 

【出版界の今を見てみます】

本が売れなくなったと言われ始めてずいぶん経ちました。本の売り上げのピークは1996年だったそうです。2兆6564億円でした。そして2014年は、その前半期から1年を推定すると、1兆6000億円前後になりそうだと言われています。なんと17年間で60%にまで落ち込んでいます。分野別に2000年~2013年の売り上げの推移を見てみると、

 

雑誌 -32.4%

コミック -6.8%

文庫 -4.7%

新書 -32.3%

児童書 20.3%

文芸 -35.8%

その他(学参・辞典・実用・旅行地図・専門・ビジネスなど) -46.5%

 

ゲーム機などの娯楽の多様化を初め、インターネットの普及や電子書籍の登場などが、出版界の落ち込みの要因であるとは思います。そんな中(2007年)でこのドラマの原作が書かれました。

当初、『ブックストア・ウォーズ』という題名で新潮社から発売されていましたが、PHPの文芸文庫から出版される際に『書店ガール』と改題されています。文庫化に当たっては主人公の理子が子どもの頃に通っていた地元の本屋さんの話が加えられていて「この挿話が物語の奥行きを作っていることは見逃せない」と文芸評論家・北上次郎氏も語っておられます。私もその辺りの空気がとてもいいと思いました。22015年4月現在、『書店ガール』は3巻発売されていますが、5月には『書店ガール4』の発売が予定されています。TVドラマと共に是非、ご一読を。

さて、放映はすでに2話を終えています。この稿がアップされる頃は3話が放映されているかと思います。

 

【第1話 あらすじ】

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー ドラマの舞台となるのは大型書店の吉祥寺店「ペガサス書房」1号店 新宿店から異動して来た北村亜紀(渡辺麻友AKB48)、23歳。祖父が取引先の文具メーカー会長というコネで入社したお嬢様。書店員という仕事が大好きでプライドを持っている。気が強く、まっすぐで裏表がなく正直。物怖じせずにハッキリ意見を言い、納得しないと折れないため、理子とは常にぶつかりがち。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 西岡理子( 稲森いずみ)、40歳。「ペガサス書房・吉祥寺店 副店長。独身で父と二人暮らし。ペガサス書房で5年のアルバイトを経て正社員になった、たたき上げの苦労人。付き合った男性もそれなりにいたが、懸命に働くうちに婚期を逃した。気が強く頑固な割には情にもろいお人好し。自分とは反対で自由奔放な亜紀がうらやましく、憎らしい。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 一段分の本を棚から数センチ手前に引き出し、両手の広げた掌でそっと押し返す。押し返して丁度、棚の縁から五ミリくらい手前で留める。でこぼこがないように本の背をなでるように押す。棚の端から端まで順番に同じことをする。そうすると、一列分の本の端が綺麗に棚から五ミリ出た状態で一直線になる。文芸書の棚の前で、理子はその作業を一段ずつ順番にくり返していた。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 「新宿店から異動してきました北村亜紀と申します」と亜紀が挨拶すると、「副店長の西岡理子です。今日からよろしくお願いします」と理子。この時から、二人の仕事と恋のバトルが始まる。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 朝のミーティングを終えようとすると「はいっ!!」と、亜紀の元気な声が。今までこういうことはなかったのだろう。スタッフのみんなは戸惑うばかり。しかも、亜紀は「地味じゃありません? こちらの店舗」と言い出し、顰蹙(ひんしゅく)を買うが、空気が読めないというか一途な亜紀は、「華がないというか、立体感が感じられません。もっと派手にしちゃいましょうよ。このお店、変えちゃいましょう!!」と、意欲満々。

 

本をこよなく愛し、相手が誰であろうとハッキリ意見を述べる、物怖じしない性格の亜紀(北村亜紀・渡辺麻友)は、初出勤当日、希望していた児童書担当に配属されなかったことで、早速、理子(西岡理子・稲森いずみ)に猛抗議。元部下である三田(三田孝彦・千葉雄大)が戻ってきたことを歓迎する一方、そんな亜紀の態度に理子は面食らう。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 一ツ星出版の柴田(長谷川朝晴)が「コミックヒート」副編集長の小幡(大東駿介)を連れてやって来た。柴田は密かに理子と付き合っている。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 柴田が亜紀に小幡を紹介する。小幡は亜紀にひと目惚れする。

 

コミック担当になった亜紀のもとに、出版社の営業担当・柴田(長谷川朝晴)が小幡(大東駿介)を連れてやってくる。実は密かに柴田と付き合っている理子は、最近多忙な柴田となかなか会えず、不安な気持ちになっていた矢先だった。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー たまり場は沖縄料理「わらゆん」。理子は同僚の尾崎志保(濱田マリ)に柴田のことを相談する。志保が「で、鍵は?」と聞く。「向こうから渡してこなかったから…」と理子。「それはあかん」と志保は言う。志保によれば「家の鍵」は「心の鍵」でもあるからきちんともらわないとダメだという。手前で聞き耳を立てている謎の男。

 

柴田から「大事な話がある」と言われ、ついにプロポーズ!? と浮足立つ理子は、行きつけの店で、同僚の志保(濱田マリ)に柴田のことを相談。たまたま隣に座った初対面の田代(田辺誠一)から「プロポーズ、されるといいですね」と言われ、酔っぱらっていた理子はつい絡んでしまう。

そんなある日、亜紀は来店客の言葉をヒントに、POPを使ってもっと本をアピールすべきだと訴える。それに対し、勧めることよりもお客様自身に選んでもらうことが大切なので、なるべくPOPを置かないのが店の方針だと反対する理子。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 「ポップでお客さんに分かりやすく、本をアピールしましょう」と亜紀。「うちの店、なるべくポップは置かないようにしている」と理子。火花が散りそうになり、理子は店長に決済をゆだねたが、店長は「やってみたらいい」と言い残し戦場から逃げるように会議場を後にした。ポップが認められたので張り切る亜紀だが…。

 

結局、店長の野島(木下ほうか)が亜紀を特別扱いし、コミック売り場には手書きPOPが並ぶものの、これがトラブルに発展、理子からいさめられた亜紀は悔し涙を流すことに…。

翌日、失敗を挽回しようとした亜紀が、私小説を出版する人気オネエタレントのアリー(橋本じゅん)を呼んでイベントをやろうと言い出した。準備期間はわずか数日だというのに、コネをフルに使ってスケジュールを押さえ、強引にイベントを進める亜紀。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 亜紀は私小説を出版する人気オネエタレントのアリー(橋本じゅん)を呼んでイベントをやろうと言い出したが、ただでさえ忙しい時に、とスタッフからは苦情が殺到。調停に忙しい理子。

 

書店員たちから不満の声が次々とあがるなか、さらに亜紀は、イベント前日のシフトを午後出勤に変えてほしいと突然申し出る。翌朝、福岡にいるという亜紀から「出勤できなくなった」と店に連絡が入る。理子は憤るスタッフをなだめ、皆で深夜まで準備に明け暮れる。

しかし、迎えたイベント当日、店にやって来たアリーは「客と握手するなんて聞いてない!中止して!」と言い出す。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー サイン会で握手するなんて聞いてない。聞いてないから絶対にやらないと言うアリー。必死に説得する亜紀にアリーは「ノルマでもあんの!」と毒づく。すると亜紀がキレた。「本を売りたい、届けたいという気持ちのどこがいけないんでしょうか。私たちは書店員です。本を売るのが仕事なんです」というと、「アリーさんの本を一番愛していないのはアリーさん自身です」と言って、アリーを激怒させてしまった。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー アリーが去った後には読者に届けたかった本が残されていた。亜紀のひとみからは大粒の涙がこぼれて落ちた。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー その時だった。亜紀の手をぐいっと引く者がいた。理子であった。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 理子は亜紀の涙を見て「本を愛する心」を見た。だったら、伝えなければ…。理子は説明もなにもなく亜紀の手を引いてアリーを追った。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 不機嫌この上ないアリーに、理子は深く詫び、1分だけ時間をくださいといい、会場へ連れて行く。会場にはいくつものイーゼルにパネルが置かれていた。理子は、何枚もの写真で構成されたパネルを見せ、そして「あなた、アリーさんに伝えたいことがあるのではないの」と言う。

 

何とかイベントを成功させたい亜紀とアリーの間に一触即発のムードが漂うなか、現れた理子はアリーを会場へと連れて行き、何枚もの写真で構成されたパネルを見せる。

それは、亜紀がアリーの故郷・福岡で撮影し、徹夜で作り上げたものだった。亜紀の熱意に感動したアリーは予定通りイベントを開催することを承諾。大成功に終わる。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 理子はホテルで柴田のプロポーズの言葉を今か今かと待ちわびていた。そして、ようやく柴田の口から告げられたのは「別れて欲しい」という言葉だった。

 

その晩、久しぶりに柴田との食事を楽しんだ理子は、プロポーズの言葉を今か今かと待ちわびていた。しかし、柴田の口から告げられたのは「別れて欲しい」という思いもよらない言葉。聞けば、二股をかけていた女性が妊娠したため、責任を取って結婚するという。その場に一人残され放心する理子だったが、ふと我に返り柴田の後を追いかけると、その隣には女性の姿が。しかも、よくよく見ると、何とそれは亜紀で――!?

 

【第2話 あらすじ】

恋人の柴田(長谷川朝晴)から、浮気相手の妊娠を理由に別れを告げられた理子(稲森いずみ)は、その相手が亜紀(渡辺麻友)ではないかと疑う。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 柴田には他に付き合っている子がいるという。それだけではない。妊娠させてしまったから結婚すると言うのだ。そんな折り、理子は柴田と楽しそうに車で出かける亜紀を見てしまう。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 理子が「わらゆん」で飲んでいると、「ほんとにされるといいですね」と声をかけられた。何のことかと言うと「プロポーズ」と言う。志保に愚痴っていたことを聞かれていたのである。

 

真相を確かめようと柴田にメールを送るが無視され、理子のモヤモヤした気持ちは募るばかり。

そんなある日、行きつけの居酒屋で知り合った田代(田辺誠一)が、実はライバル書店に勤める同業者だと判明。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 「わらゆん」で失礼なことを言ってきた謎の男。翌日、客として理子の前に現れた。「俺、た・し・ろ・と言います」と言った。差し出された名刺には「ユニコーン堂 開発部」とあった。九州から視察にやって来た同業者だったのである。

 

居酒屋で再び顔を合わせた田代は、恋人に振られた理子の胸中を察し、モヤモヤをハッキリさせればいいとアドバイス。

田代の言葉に意を決した理子は、店を出たその足で柴田のマンションへ。しかし、理子の顔を見た柴田はその場から逃げ出し、追いついた理子を突き飛ばす。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 理子は関係をはっきりさせるために柴田を、自宅近くで待ち受けていた。ちょうどその日、柴田は40女が痴情のもつれで殺傷沙汰を起こしたと言う記事が話題になっていた。身に覚えのある柴田は必要以上に驚き、理子を突き飛ばして逃げて行ってしまった。

 

翌朝、ショックを抱えたまま出勤した理子は、亜紀が週刊誌を読みながら「自分を振った男に執着するなんてバカですよ」と話しているのを聞いて怒りがこみ上げる。そしてその晩、亜紀と三田(千葉雄大)の歓迎会の会場に一足先に到着すると、亜紀を褒めちぎる小幡(大東駿介)の言葉に我慢ができず、つい亜紀の悪口を並べてしまう。しかし、やって来た亜紀が偶然それを耳にし、二人は険悪なムードに。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 亜紀の歓迎会の夜。早く来合わせた一ツ星出版の小幡と理子と志保はいつの間にか亜紀の話になっていた。そして、理子が亜紀の悪口を言い出したところに、折悪しく亜紀がやってきて…。

 

店を飛び出した亜紀を慌てて追いかけた理子は言いすぎたと謝罪。そして改めて柴田との関係を問いただすが、身に覚えのない亜紀はそれを真っ向から否定。すべては理子の勘違いだったことが判明する。すると次の瞬間、理子はその場に倒れこむ。そこへ駆け付けた三田が高熱を出した理子を抱きかかえ、自宅まで送っていくことに。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 亜紀に悪口を聞かれてしまったことで動転した理子。柴田の彼女だと亜紀に抱いていた疑惑も自分の勘違いだと分かり、それまでの疲れからか高熱を出して倒れ込む。介抱する三田。

 

翌日、目を覚ました理子は、今日が田代と東京案内を約束した日だったことを思い出す。しかし、約束の時間はとっくに過ぎていて、田代の連絡先も見つからない。困った理子は、とりあえず約束の場所へ大慌てで向かうが、結局田代とは会えずじまい。そのうえ、またもや熱がぶり返して倒れこんでしまう。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 三田が理子を介抱するところを見た亜紀は決心した。三田を公園へ呼び出して「私、三田さんが好きです。三田さん、私と付き合ってください」と告白した。すると、三田は「ごめん」と言い、「俺、好きな人がいるんだ」と言った。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 亜紀に背を向けて去って行く三田。「あたし、ふられたんですか?」と亜紀がつぶやいた。

 

その頃、亜紀は仕事終わりの三田を公園に呼び出し、「好きです」と告白する。しかし、三田の答えは「ごめん、好きな人がいるんだ」――。自分が振られたことにショックを受けた亜紀は…。

 

あらすじは番組HPから参照。

http://www.ktv.jp/shoten/story/02.html

 

 

【第1話、第2話の感想】

最近のドラマ(これは小説)は職場での嫌がらせやいじめ、パワハラ、セクハラを表に出して、それを見返す、やり返すといったシチュエーションで描かれているものが多いですね。TVでは『花より男子』『学校の階段』など、差別による嫌がらせとか、現在放映中の『マザーゲーム』も同じような設定です。少し様相が違うのが『銭の戦争』での醜い会話やシーン。『残念な夫』での夫婦間のヒステリックな関係などがありました。なぜこんなのばかりなのでしょう。妻は「現実がそうだから」と言い切ります。しかし、だからこそ私は「ほわほわーっ」とした、とりとめのないドラマが見たいと思います。残念ながら『戦う!書店ガール』も原作はそんな嫌がらせがあったり、嫉妬があったりします。つらい思いを抱きつつ見たのですが、何となく上に挙げた作品とは違って、随所に温かいものが感じられました。そして、第1話は結構、展開的に面白くし上がっていると思いました。とりあえず、全話を見てみようという気にはなっています。

しかし、第2話に入るとここからは恋愛ものという感じで、ストレス発散する理子、いらつく理子などのシーンが多くて、ちょっと見る気が失せてしまいそう。

 

第2話で胸が痛くなる残念なシーンがありました。

亜紀が三田を見直す(好きになる)シーンです。原書では以下のようなやり取りになっています。」

 

 

その日は女性誌の新年特大号の発売日と言うことで付録の挟み込みで忙しく、亜紀は、

「まったく、嫌になっちゃいますね。こんなに付録が多いと」

などと愚痴っていました。すると、三田は、

「俺は、嫌いじゃないよ、この作業」と言う。

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 雑誌の紐掛けを面倒だと言う亜紀。しかし、三田は「俺は、嫌いじゃないよ」と言う。

 

亜紀は、

「単行本だったらこんな本が出たっていち早く知る楽しみがあるけど、雑誌なんて、どれも毎号、同じようなものでしょう。付録の紐掛けなんて面倒なだけだし。どこがいいのでしょうか」

と聞く。すると、三田は

「これは俺だけが思ってることかもしれないけれどね」と断って、

「雑誌ってさ、どんなものでも届いたばかりだと紙の塊って感じがするんだよ」と言う。そして、

「誰も触ってない雑誌は生気がない感じなんだな。なんだか固くて人を寄せ付けない。ただの印刷した紙の集積っていう気がする」

 

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『戦う! 書店ガール』ー関西テレビ(フジテレビ系)ー 三田はひもを掛けたりすることで雑誌に命が宿ると言う。亜紀が三田を意識した瞬間だった。

 

「だけど、こうして紐掛けしたり、付録の挟み込みしたりするとね、紙の塊がだんだん雑誌になっていくって感じがするんだ。雑誌としての命が宿る気がする」

「単行本もそうなんだけどね、ただの印刷物がちゃんと本や雑誌になるのは、人に関心を持たれたり、読まれたりするからじゃないかと思うんだよ。俺たちがこうして一冊一冊触って、書棚に置けるようにしてはじめて雑誌は雑誌になる、そんな気がするんだ。だから俺たちがやっているのは、雑誌としての命を吹き込んでいるんじゃないか、ってね。そう思うと、なんだかこういう作業も意味がある気がしないか」

「三田さんてロマンチストなんですね」

 そう言いながらも、亜紀は新鮮な感動を覚えていた。

ー『書店ガール』PHP文芸文庫ー

 

 

つまり、この場合は雑誌ですが付録を挟み込んで紐掛けをしたら、紙の塊が雑誌になるという三田の思想というか思いを語るシーンです(このシーンは、TVと原作のどちらにもあるので、脚本の人も共感されてこのシーンを書かれたと思います)。

 

私が仕事を始めた頃(40年ほど前のこと)、それまでデザインと言えば「ファッション」関係で認識されていたものが、漸く「グラフィック」の時代に入ろうとしていました。つまり、B2判ポスターから全判ポスターが街のあちこちで見られるようになっていました。そんな時、デザイナーを志していると知った上司が「これから、装丁が良くなるぞ」だからうちの会社で働いて学べと言ってくれました。結果、それが私が出版業界に入るきっかけになりました。出版関連のデザインを長くやっていると次第に「言葉」や「文字」について考えるようになります。結果、自分が作る「もの(雑誌や書籍)」に対して思うことも多く、深く考えることになったのは自然の成り行きでした。

今回、碧野圭さんのこの下りを読むと「気持ちは分かるが、そう思っていいの?」という気持ちが、

私が日夜、出版物に関して考えていた当時を思い出させてくれたのです。

 

「雑誌ってさ、どんなものでも届いたばかりだと紙の塊って感じがするんだよ」

 

と言われてしまうと愕然とするのです。つまり、紙だって命があるし、「文字」はもちろん「文章」にだって「命」はあると思うからです。作家さんによって書かれたメッセージは、編集者さんの手を経てブックデザイナーさんに装いを施され、製版、印刷、製本と命が引き継がれ育まれていきます。そして、書店員さんの手で紐掛けをしてもらい、店頭に並ぶわけですが、作品では最後の段階で命が吹き込まれると言います。では、それ以前の作家さんや職人さんの営みは、ただゴロンと転がっている無機質な「モノ」を作っていたとして貶められた感じになるのです。

最近、電気コードのプラグなどが断線したり壊れたりしても修理できなくなっていますよね。車だって、昔と違ってブラックボックス化していて自分で修理はできなくなっているそうです。過日、自転車に取り付けるライトが買って間もなく故障したので購入したお店で修理してもらおうとしたら、新品が送られてきました。そんな時代です。つまり、ユーザーや関わる人々が手を加えて作り上げて行くという時間と楽しみが「効率」「安価」「便利」という美名の元に剥奪されていっているのです。製品ができた時点が最高の姿であり、後は劣化の一途を辿るのです。

私はモノを作る時、渡してくれた人(作家さんや編集者さん)の意図を承け、渡す人(印刷関係、読者さん)へと伝えて行くことをモットーにしています。つまり、どこのセクションでとらえても、そこにはそれぞれの「命」があるものと思うのです。決して、ものの塊を作ってはいないのです。それが日本人が世界に誇れるモノ作りだと思うのです。

包丁は研いでいますか? 買ったばかりの時が一番いい状態のモノは買わない方がいいと思っています。少しずつでも研いで、自分の手に合った包丁に仕上げていくのが自分にも料理にも理にかなっているのではないでしょうか。そして、いい包丁を作ってくれた職人さんはそのような使い手を想像して命をつないでくれているのだと思います。だから安くはありません。便利でもありません。時には厄介なものになるのかもしれません。しかし、命あるモノは必ず命で報いてくれるのです。

手帳やカレンダーは印刷、製本そして書店などでパッケージされた時点で命が宿るのでしょうか? 私はそこに予定や覚え書きが書き込まれて行き、汗で滲んだり、手の油で紙がふやけたりして行くことこそ命が継承されて行っている証だと思い、そんな場面を描きながらタイトルを配置したり、用紙を選んだりしています。命は、ひとりの人の手で、瞬間にできあがるものではないのではないか、そんな風に思うのです。ね、三田くん。

 

 

—Akitsu

 

 

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