TV、テレビ、自転車ときどきキッチン

Team 片手業・TV : 新番組、第1話、時代劇、水戸黄門、視聴談など

第7回 柴咲コウさん、東山紀之さんの『◯◯妻』。「言えなかった言葉」「戒(いまし)める言葉」をクリップしました。つらいのはあなただけじゃないんだから…。

『◯◯妻』第7話 ー私の存在があなたを苦しめてるなら最後にこの言葉を捧げます

2015.02.25放送より

 

 

【第7話あらすじ】正純に別れを告げ、去って行ったひかり(柴咲コウ)だが、心は正純の事でいっぱいだった。一方、正純の方では板垣が、世間にひかりの事を知られる前に離婚声明を出す事を提案してきた。正純のマンションに母、仁美と姉、美登利(渡辺真起子)親子とが集まって来た。母、仁美は最初からひかりの事を信用できなかったと言い、姉、美登利は弟の嫁が犯罪者だと、娘の成美(平澤宏々路)の受験にさしさわりがあるなどの苦情を並べ立てた。そのうち、ひかりの実母、千春(黒木瞳)までやってきて、久保田の母と一触即発の危機。ひかりが正純のもとを離れて行ったと知ると、久保田家の者は帰って行った。正純は残った千春にひかりの居所を尋ねるが知らないと言う。ひかりは井納家の墓前に居た。千春が現れる。久保田と別れた事を「良かった」と言い、「男ならいつでも紹介する」などと憎まれ口を叩くので、ひかりは逃げるように立ち去る。途中、ひかりの携帯が鳴った。次姉の実結(奥貫薫)からだった。ひかりにぴったりの所に案内すると言うのだった。実結は、ひかりを苦しみから救うつもりだった。ひかりは実結と行動をともにすることで彼女の苦悩を知ることになる。一方、正純は「NEWS  LIFE」のコメントに精彩を無くしていた。視聴率を気にする板垣に打開策を求められ、街に出て放送する事にした。しかし、想定外のことが起こるのを恐れる板垣は、あらかじめ決めた台本に従って取材してほしいと正純に言う。正純はしぶしぶ板垣に従うことに。生放送当日、ひかりは人ごみにまぎれて様子をうかがっていた。しかし、やる気も失せた正純の姿は見るに耐えなかった。ひかりは実結が「まだ(正純に)言いたい事を言っていないのではないか」という言葉に導かれるように、正純のマンションへ帰っていった。そして、便せんに「私にはあなたが必要です」と書き置いた。と、その時、正純がかえって来、後を追うように風谷が訪ねて来た。物陰に隠れる事になってしまったひかりは、二人の衝撃的な光景を見聞きする事になってしまった。

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  ひかりがメディアプレーヤーの電源を入れると、「NEWS  LIFE」のタイトルがズラリと並んでいた。メニューを選ぶと聞き慣れた正純の声が流れて来た。

 

正純と別れたひかり。この日、コインランドリーにいた。待ち時間、メディアプレイヤーの電源を入れると、聞き慣れた正純の声が流れて来た。

「皆さん、今日、一日だけでも祈りませんか…、看護士さんたちの幸せを。」「いじめは卑怯だ!…。」

 

「宗教や神は本来、幸福を人々にもたらすためにあるはずなのに、今や、戦争をやる言い訳になっている」

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  ひかりは川縁を歩いた。あても無くあちこちを歩いていた。夜にさしかかった頃、携帯に着信があった。

 

ひかりが街を彷徨(さまよ)っていると携帯に着信があった。正純からだった。「とにかく電話をくれ」と言う。ひかりは身を切られる思いで「着信拒否」を設定した。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  着信は正純からであった。ひかりは身を切られる思いで、正純のアドレスの拒否設定をした。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  ひかりはカプセルホテルに泊まっていた。

 

ひかりはする事も無くカプセルで寝に就くが、いつもの時間になるとTVのスイッチを入れてしまう。慌ててスイッチを切るひかり。

「NEWS  LIFE」のエンディングでは正純が、「明日、

 

大切な人に会えなくなった方が、再会できる事を祈って

 

お休みなさい」と語っていた。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  本番が終わり、メールの着信を確かめるが、ひかりからの連絡はなかった。風谷は、頭をかかえる正純が気がかりだった。

 

板垣がやってきた。そして、「奥さんの事なんですけど…」と言い、婚姻届を出すと世間にひかりの過去を知られる事になりかねないので考え直してくれと言う。ひかりが出て行ったのは誰も知らなかった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  正純は婚姻届を出すと言っていた。ひかりが正純から離れて行った事を知らない板垣は、婚姻届を出す事でひかりの過去がバレるのを恐れていた。

 

「(奥さんの過去が)バレたら『NEWS  LIFE』を続けるのは絶対に無理」と言うと、正純が「心配すんな!! あいつはもう出て行ったから」と、憮然と言うと立ち上がった。

ひかりと別れた事を知ると板垣は離婚した事をマスコミ各社にFAXで流してくれと頼む。そこまでする必要があるのかと聞く正純。先手を打って離婚を発表しておけば、ひかりの事がバレても正純には一切関係がないので問題はないと言う。板垣のあまりの言いように、正純を気遣う風谷。正純は「考えておく」と言い残してその場を離れた。後を追う風谷。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  板垣の厳しい要求に風谷も気が気ではなかった。スタジオを出る正純を追ったが取りつく島も無い。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  ひかりが帰っているかも知れないと、わずかな期待を持って帰宅したが、ひかりの姿はどこにも無かった。

 

部屋に入ると、テーブルに真っ赤なリンゴと鍵がそのままになっていた。

「やっぱり、帰ってないか」

とつぶやく正純。携帯でメールを送信してみる。返されてきた。

「おい!! 着信拒否かよ」

と、怒る気力もなかった。と、こうしていると着信音が鳴った。「ひかりか!?」と思ったが、風谷からだった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  風谷はひかりに会って、正純のために別れてくれないかと頼んだ事を告白した。

 

風谷は「奥さんが出て行ったのは私のせいかも知れません」と言う。「何だよ、それ?」と正純が尋ねると、風谷は先日、ひかりに正純のために別れてくれるように頼んだという。最近、正純のコメントに精彩が無いのはひかりとの問題があるからだと思っている風谷。「久保田さんが、自分の思いを伝えられる番組は『NEWS  LIFE』しかないから、これ以上苦しめないで欲しい」と言ったことを告白した。しかし、正純は「気にするな。キミとは関係がない」と言い電話を切った。

 

チャイムが鳴った。朝である。正純はひかりが帰ってきたと思い、急いでモニタへ走った。が、そこに映っていたのは姉、美登利(渡辺真起子)親子と母、仁美(岩本多代)だった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  ひかりから過去を聞かされて、これからの事を相談しに訪れたのである。「成美のお受験が失敗したらどうするの!」と、苦情を言う美登利。母は母で、掌を返すようにひかりの事を「最初から信用できなかった」と言う。

 

美登利は「契約結婚とかワケの分からないことをして、私たち家族をだましていたワケ!?」と、厳しく問いただした。

正純が「だましていたわけじゃあない…」と言うと美登利は、

「ひかりさんが自分の子どもにああいう事をした事がバレて、成美のお受験が失敗したらどーする気よ!!」と剣幕である。

「あんたじゃ、らちがあかない。ひかりさんは?」と言う。

「それがー」と、正純。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  美登利の苦情も終わらないうちに実結まで現れた。契約書を手にすると、契約妻だと言うひかりの言葉が本当だったと知る。

 

そのうち、次姉、実結も現れて契約書を手にした。

「これが噂の契約書?」と読み始めると、

「本当に契約妻だったんだ」と言う。そして、昔、森進一が

 

人生には三つの坂がある

 

と言っていたけれど、まさにあれね」と謎めいた事を言う。「何、それ?」と、美登利が聞いた。すると、実結が、

 

「上り坂、下り坂

 

と、あとひとつ、人生には坂があるの。なーんだ?」とクイズにしてしまった。みんなが頭を抱えていると、美登利の娘、成美(平澤宏々路)が、

 

「まさか!!!」

 

と答えてみんなを驚かせる。しかし、美登利は腹の虫が収まらない。母に「何とか言って」と言うと、仁美は、

「私は最初から信用できなかったのよね、あの人。いつも黙って、ニコニコして、なんか企んでるって言うか、人をバカにしているみたいだった」と言う。

「それはないだろー、母さん。今まで、ひかりに色々助けてもらったのに」と正純はひかりをかばう。そうこうしていると、チャイムが鳴ってひかりの実母、千春が現れた。正純がひかりの居所を尋ねるために呼んでいたのだった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  正純から呼ばれて現れた千春だが、家族が集まっているのを見て、「これはこれは、みなさんお揃いで…」と、いつものようにおちゃらけた挨拶をした。

 

千春はおちゃらけた挨拶から一転、「この度はうちの娘が大変ご迷惑をおかけしたみたいで…」と土下座までして謝罪するのだった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  おちゃらけから、一転、「この度はうちの娘が大変ご迷惑をおかけしたみたいで、誠に申し訳ございませんでした」と神妙に謝罪する千春。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  神妙に謝罪を終えるといつものように明るく振る舞う千春。

 

「あの娘も、これ以上、皆さんにご迷惑をかけないために出て行ったと思うので、とりあえずひと安心じゃないですか」と、明るく振る舞う。すると、千春の人を小馬鹿にしたような振る舞いに仁美が、

「あ母さん!! ちょっといい加減じゃありませんか。うちの大事な息子にさんざん迷惑かけといて…」と、なじる。と、さらに千春は、

「それもひとえに、母である私の不徳の致す所で…」と言いかけて、

「あの娘の人生なんで…」あれこれ言われても困ると言う。

「開き直らないでください!!」と仁美は食ってかかる。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  「前から言おう言おうと思っていたんだけど、いい歳をしてそんなチャラチャラして…」と言う仁美。

 

そこまで言われて黙っている千春ではなかった。

「そちらこそ、すっかり人が変わっちゃったみたいですけど…。デパートで問題起こされたし、本性が出たと言うことですか」

と、万引き事件を口にし始める。美登利たちが「何の事?」と興味を持ち始め、場の雲行きが怪しくなってくると、正純が割って入った。正純の手には離婚発表のコメントがあった。久保田家の母娘は「離婚発表」をすると知って、「帰ろう」と身支度を始めた。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  今まで、大人の話に関わって来なかった美登利の息子、大輝(浦上晟周・うらがみせいしゅう)が「人生って…」と、驚くような事を言い出して、母、美登利や千春は凝然となった。

 

「人生って、一回ミスしたら終わりなんだ?!」

 

と大輝が言う。部屋中が凍り付いたようになった。すると、

「俺が中学受験を失敗したみたいに…」と、ひかりと自分を重ねるのだった。大輝が部屋を出ると、家族は揃って帰って行って、千春と正純が残された。正純がひかりに連絡が取れるように頼むと、千春の顔がぱっと明るくなった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  正純がひかりと連絡取りたいと言うと、千春の顔がぱっと明るくなった。「いーけどー」とおどけて見せる。そして、連絡とってどうするのかと尋ねた。正純は「きちんと話し合う」と言う。

 

ひかりとちゃんと話し合いたいと言う正純に千春は、

「無理すんのやめなよ」と言う。そして「あんただって、心のどこかでホッとしているんじゃないの?」と言い、離婚報道のコメントにサインする事を勧めた。そして、これ以上自分たち母娘に関わらない方が良いと言うのだった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  ひかりは井納家の墓前にいた。そこに千春が現れる。千春は神出鬼没である。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  「別れて良かった」「いい男紹介する」などと悪態をつく千春。母、千春にはどんな思いがあるのであろうか? ひかりは母に背を向け、逃げるように去って行った

 

「やっぱり、ここにいたあー」と千春。迷惑そうなひかり。「(正純さんのところ)出て行ったんだって? よかったじゃなーい」などと悪態をつく。ひかりはいたたまれなくなって、母に背を向けて立ち去ろうとすると、「男ならいつでも紹介するよ」と追い打ちをかける。逃げ去る途中、携帯が鳴った。実結からであった。

「あなたにぴったりの場所に連れて行く」と言う。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  実結に連れられて行った先は新興宗教の道場だった。「変な宗教じゃない」と実結は言うが…。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  実結は変な宗教ではないと言っていたが、ひかりにはそうは見えなかった。教祖さま(飯田基祐)は言う。「自分の犯した罪に苦しんでいる事を、私は知っています」と。いかにも妖しげだった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  とりあえず、見よう見まねで手を合わせてみるひかり。

 

「…沈黙は心を浄め、神の許しを承けとる準備になるのです」と言って法話が終わった。ひかりは一人になって、しばし、何事かを祈っていた。すると、どこからかささやきが聞こえて来た。

「こんなことして、いいんでしょうか?」

実結の声であった。ささやき声に導かれるように近づいて行き扉の隙間から中を覗いて見た。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  小声の主は実結であった。「でもやっぱり、教祖さま。こんなこと…」と力なく拒んでいる。「神は許してくださるから…」と教祖。教祖は「神は許してくださる」と言うが、ひかりには全てが分かっていた。ドアを開けて押し入るなり、立ちはだかる教祖の股間をしたたかに蹴り上げて、実結を伴って道場を逃げ出した。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  実結の部屋に落ち着いた二人。「ごめんね」と実結。自分は夢中になったものからぜーんぶ裏切られてきたと言う。

 

実結は『みにくいアヒルの子』の話を始めた。姉は出来がよく、弟はアイドルで、自分はみにくいアヒルの子だと言う。つらいことがあると、いつか白鳥になってみんなを驚かせようと思って、頑張ってきたと言う。しかし、

「全然、白鳥にはなれなかった。大学は中退、自殺未遂、中絶もした。借金を作って迷惑もかけた」と話し、「何が言いたいのかって言うと…、あんたなんかに同情しないって言うこと。

 

この東京の中でつらいのはあんただけじゃないんだから

 

って言うか、私に比べたら幸せだよね。一生を捧げる価値ある男を見つけて…」と言うとTVをつけた。『NEWS  LIFE』が始まろうとしていた。そして、風谷を見て「正純のタイプなんじゃあ」と言い、「もうできてんじゃないの」とひかりの胸をグサリ。さらに「なーんだよ、そのフツーのコメントは…」と、精彩を失った正純のコメントを散々に言う。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  実結はひかりの悩みを見透かしたように、風谷を正純のタイプだと言い、正純のコメントに精彩が無い事を言い放つ。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  スタジオでは板垣が「久保田さんのコメントが最近ちょっとおとなしくなっているって言うか…」と相談を持ちかけていた。

 

最近、正純のコメントに精彩が無いという書き込みが増えている、視聴率的に問題があるので打開策はないかと言って来た。板垣は「離婚会見を番組でやるとか…」とまで言い出す始末。冗談と言っているが、放っておくとやりかねない。正純は外に出て実況する事を提案した。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  「原点に戻って、俺が外に出て取材するか!? 絵が変わって新鮮だし、俺はやっぱり現場に出て輝く男だし」と正純。

 

東京で今、一人で苦しんでいる名も無き人たちに、ワンテーマの質問をして、今の日本を久保田正純が斬ると言うようなのはどうか? と正純。「何、聞くんですか?」と板垣。すると正純は、

 

「あなたは死ぬ前にひと言だけ言えるとしたら何て言いますか?

 

はどうだ? と言い、色んな場所を移動しようと言う。「いいですねえ」と板垣。久しぶりに二人の意見が一致して盛り上がった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  「いいですねえ。早速、ロケ地候補を出しましょう」と、久しぶりに正純と意見が合って興奮する板垣。

 

報道局ブースにて。正純が人差し指でこめかみをかいていた。気に入らない事が起きていた。板垣は不測の事態を招かないために、あらかじめ取材相手や内容を決めておきたいと言い出したのである。さらに、正純のコメントまで筋立てができていた。

「結局、コンプライアンスかよ!!」と正純は激怒していた。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  板垣の言い分を聞くと正純は「わかった!! やめよう。こんなんじゃ生でやる必要ないし」と言い出す。「ちょっと、待ってくださいよ。せっかくいい企画なんだし」と板垣。

 

「(結局)数字が欲しいだけなんだろうお前は!!!」と言い、さらに「いっそのこと、最後に離婚発表してやろうか。そうすれば確実に数字が取れる」と言ってしまった。すると、今日の板垣は引かない。

「そうしていただいても構いませんよ」と腹をくくった返事であった。そうなると困るのは正純である。

「冗談だよ」と言うと、

「今回だけは…」と、板垣の企画通りにする事を誓った。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  いつものバー。将海は板垣に弱みを握られた恰好であった。飲まずにはいられない正純。と、「いいですか、一緒に?」と言って、風谷が入ってきた。

 

「(生放送)台本どおりにするんですか?」と気遣う。しかし、正純は、

「やっぱり、文句言いに来たんだ」と、すね気味に答える。

「そんなつもりじゃないですけど、久保田さんがあっさり、板垣さんの言うことを聞いたから…」と風谷。そして、取材は臨機応変が面白いと言うと、正純は、

「今は、キャスターはジャーナリストである必要は無い。アナウンサーであればいい」と吐いて捨てる。風谷も収まらない。

「自分の言葉で世界を救いたいからキャスターになったという久保田さんに憧れてこの世界に入った」と言うと、

「いい加減にしてくれ!!」と怒る正純。そして、「もう無口になるわ、俺。何しゃべってもムダなんだから」と投げやりに言う。

「本気で言っているんですか?」と、心配そうな風谷。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  正純だって好き好んで板垣のシナリオ通りになろうとしているのではないと言うことは重々理解している風谷だが、尊敬する先輩だからこそ言わずにはいられなかった。

 

マンションに帰った正純。何もかもが狂い出してどうしていいか分からなくなっている。仕舞ってあった、ひかりが書いてくれたコメントを取り出して読み始めた。

「今日の放送を見て思いました。

 

あなたの言葉には、雨を止ませるような力がある

 

って」その時、チャイムが鳴った。期待してでたが、ドアの外に立っていたのは実結だった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  「あんたは冷たい男よね」「こんな時間に姉がやってきたのは、何かつらいことでもあったんだとか思わないわけ?」と唐突に言い出す実結。

 

「何かあったの?」と正純が聞く。「なーい」と実結。だけど、と言う。

「だけどさあ、ひかりさんの事だってそうよ。あんたがここまで来たのは彼女のお陰でしょう。たかがキャスター辞めるのがそんなに怖いわけ?」と、ズバリと切り込む実結。

「そっちにはわかんないんだよ」と正純。キャスターという職業に、正純には正純の思いが沢山ある事を言う。

「じゃあ、このままホントに別れるんだ? ひかりさんと」と、理由が何であれ彼女をほっとくのはおかしいと実結。そして、

「残念だなあ。もしあんたが愛を貫く気ならひかりさんの居場所、教えてあげようと思ったんだけど…」と言った。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  ひかりは、ひとり実結の部屋にいた。そこに実結からの電話。「ごめんね、ひかりさん。正純にしゃべっちゃったあ。そこに居る事…」と実結。

 

そうこうしている内にチャイムが鳴った。実結が「もう、着いちゃった?」と言い、「ごめんね、ひかりさん。鍵を渡したから居留守使ってもムダなんだよね」と、優しく言う。そして、

「まだ、正純に言ってない事があるんでしょう。

 

ちゃんと伝えないと

一生、後悔するよ」

 

あなたには、正純が必要なんでしょう?」と、実結の言葉が終わるや否や正純が入ってきた。しかし、不思議な事に正純にはひかりを見つける事はできなかった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  自分の人生、何もかもがダメだと言う実結の部屋は自然食の商売で買わせられた自然水やグッズ、ぬいぐるみでいっぱいだった。ひかりはかろうじて山積みになっているぬいぐるみの下になって息をひそめていて、見つかる事は無かった。

 

生放送の現場では「うちのカミさんも楽しみにしているんで…」と、板垣は上機嫌。一方、風谷は台本どおりのコメントを読ませられる正純を気遣って心配そうである。「本当にやるんですか?」と、風谷。正純は「本番前だぞ!!」と、とり合ってくれなかった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  街頭での生中継の日、ひかりは野次馬の陰から密かにうかがっていた。「10時になりました。『NEWS  LIFE』今日は生中継で巨大都市東京に住む人たちにお話をうかがい、今の日本について考えたいと思います」。

 

『NEWS  LIFE』が始まった。「…題して、久保田正純の『今の日本俺しか聞けない』」と言う台詞にも力が無かった。最初は八百屋に主人に「死ぬ前にひと言が言えるとしたら…」と質問するが、「ん、やっぱり、お母ちゃん、結婚してくれてありがとう、かな」と台本どおりの返事が返ってきて、「いいですねえ、いつまでもラブラブで…」と、正純も台本どおりにコメントした。質問はまだまだ続くが、正純の心は離れているようだった。野次馬の陰から見守っていたひかりも肩を落としてその場から姿を消していた。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  思い切って帰って来たひかり。実結に「伝えたい事があるのでは?」「あなたは正純を必要としているのでは?」と言われたからだった。

 

ひかりは目的を果たすためにマンションに戻って来た。部屋に入ると、ひと部屋ひと部屋見て歩いた。ソファーには脱ぎっぱなしの衣類が、テーブルには取り散らかした新聞。台所には汚れた食器がそのままにしてあった。正純の寝室に入ると、ひかりは、部屋に散らばっている、自分の書いた『NEWS  LIFE』の視聴感想文を見つけ、一枚を手にした。

「私の趣味は、あなたの言葉を、毎日、書き留める事かもしれせん。

 

美しい言葉は、書いているだけで幸せになれます」

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  正純の寝室には箱に仕舞ってあった『NEWS  LIFE』の視聴感想文が散らばっていた。ひかりは一枚を手にして読み始めた。

 

ひかりは正純のデスクに向かった。ペンを取り、便せんに何事かを書き始めた。

 

わたしにはあなたが必要です

 

と、思いの丈(たけ)を書いた。書いて、部屋を出ようとした時、玄関のドアが開いて正純が入ってきた。ひかりはとっさに物陰に隠れた。すると、正純の後を追うように風谷が入って来た。

「すいません。後をつけちゃいました」という。したたか酔っぱらっているようである。正純が、

「お前、飲んでいるのか?」と言うと、

「はいっ! 飲んでいます。飲まないと来れないので、飲んじゃいました」と言い、終わる間もなく、

「ウッ、ウッ、うーっ」と、今にも吐き出しそう。トイレに連れて行く正純。身動きが取れなくなったひかり。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  機会を失って出てゆけなくなったひかりは、物陰に隠れたまま正純と風谷の様子を見聞きする事になってしまった。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  今日みたいな久保田正純は見たくない、バカヤローと言いたくてやってきたと言う風谷。

 

「なんで来たんだよ」と正純が言う。その言葉に、風谷は手にした水入りのボトルを思い切りテーブルに振り下ろした。そして、

「ザケンナ!! バカヤロー!!」と、

大声で怒鳴ったかと思うと、

「って、言いに来ました」と小声で言う。そして、

「やっぱり、今日みたいな久保田さんは見たくない」と言うのである。そして、「久保田さんは言ってたじゃないですか。どんなピンチの時でも、

 

信念を捨ててはいけない。その場は乗り切れても、もっと大きなピンチを招くだけだから

 

って…」と言うと、

「久保田正純は久保田正純でなきゃダメです!!」と言う。そのためには、「私、何でもやりますから。久保田さんが自分の言葉を伝えられるように、どんな時も支えますから…」と言うと、

「あたしじゃ、ダメですか?」と、

部下の健気な言葉にも、愛の告白にも聞こえる言葉だった。ひかりは物陰で耐えていた。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  後ろから抱かれてしまった風谷。

 

風谷は、酔いにまかせて思いの丈をしゃべった。

「久保田さんはどんなにつらくとも言葉を伝えて沢山の人を幸せにしなきゃいけないんです」

「あたしにできることだったら言ってください。あ~も~、言いたい事の半分も言えない」と、その時、正純の太い腕が風谷を抱いた。絶句する風谷。ひかりは物陰で身動きがとれなかった。正純は風谷に、

「もうしゃべるな」と言う。そして、

「キミが言う通り。いつまでもウジウジしないで前に進まなきゃあなあ。ひかりもそのために自分から出て行ってくれたんだし。明日、離婚したって発表するよ」と、正純は仕舞ってあった離婚報道用の用紙にサインした。正純が、今度は正面から風谷を抱き、唇を合わせようとした。風谷が再び、「ウッ、ウッ、うーっ」と、今にも吐き出しそうになり、二人はトイレへと駆け込んだ。その隙にひかりは部屋を逃げ出る事ができた。

手には便せんがあった。

「私にはあなたが必要です」と書いたあの便せんだった。ひかりは細かく破り、捨てた。

 

いつの間にか、あの交差点に立っていた。携帯を取り出した。「死ぬ前に、最後にひと言だけ言えるとしたら」と言う文面があった。「…最後にひと言だけ言えるとしたら、私はこう言います」とあり、ひかりは、

「まさずみーっ!!」と大きく叫んだ。

信号が青から赤に変わった。ひかりの足が一歩前へ。二歩、三歩と前へ出た。そして、車道へと踏み出していた。つかの間であった。横手から大型トラックが迫っていた。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  ひかりの最後のひと言は「まさずみ」だった。言い終えると、それを最後の言葉にすべく、車道へと踏み出して行った。

 

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『◯◯妻』第7話 ー日本テレビー  大型トラックのヘッドライトに照らされたひかりは最後に何を見たのだろうか? 警笛がこだました。

 

 

 

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『◯◯妻』ー日本テレビ

製作総指揮:チーフプロデューサー_伊藤響

演出:猪股隆一 日暮謙 鈴木勇馬

脚本:遊川和彦

プロデューサー:大平太 福井宏 太田雅晴

出演者:柴咲コウ 東山紀之 黒木瞳 平泉成 岩本多代 渡辺真起子 奥貫薫 城田優 蓮佛美沙子/ほか

エンディング:椎名林檎「至上の人生」

 

—Akitsu

 

 

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