TV、テレビ、自転車ときどきキッチン

Team 片手業・TV : 新番組、第1話、時代劇、水戸黄門、視聴談など

第5回 柴咲コウさん、東山紀之さんの『◯◯妻』。「元気をいただく言葉」「覚悟をいただく言葉」をクリップしました。明日が希望に満ちた日になるために…。

『◯◯妻』第5話 ー決死の告白! こんな女でもいいなら結婚してください!

2015.02.11放送より

 

 

【第5話あらすじ】「昔、人を殺しました。人を殺した犯罪者です」と作太郎(平泉成)に告白したひかり(柴咲コウ)。まもなく作太郎は意識を失い、こん睡状態に陥る。ひかりは。作太郎の蘇生を試みた。

その頃、正純(東山紀之)は、愛(蓮佛美沙子)の部屋へ行き泊めてくれという。愛は、正純に「好きになりました」と告白するが自分のことだけを愛してくれるのなら付き合うという。決断できない正純はひかりだけでなく、愛も失ってしまった。やけになり深酒をして街を彷徨っていた、そんな時、ひかりと姉から電話が。作太郎が危篤状態だと言う。病院へ駆けつけると家族全員が集まっていた。次に何かあったらもうもたないと医者から言われて、妻・仁美は動揺する。「ひかりさん、私はどうすればいいの?」とすがるのだった。そして、仁美が懺悔し、作太郎への子どもたちの誤解が解かれた。作太郎は帰らぬ人となった。葬儀を終えて帰宅したひかりと正純。正純はひかり無しでは生きてゆけない。正式に結婚しようと思いを語る。そして、ひかりにどんな秘密があってもきっちりと受けとめると言う。漸く、ひかりの重い口が開かれた。

………………………………………………………………………………………

 

 

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  正純が愛の部屋へ向かった時、ひかりは作太郎の病室へ行き、秘密を打ち明けるのだった。

 

作太郎(平泉成)の「墓場まで持って行ってやる」と言う言葉に促されて、「私は昔、人を殺しました」「人を殺した犯罪者です」と、ひかり(柴咲コウ)は衝撃的な告白をしていた。丁度、その頃、正純(東山紀之)は風谷愛(蓮佛美沙子)の部屋を訪れていた。泊めてくれと言う正純に「はい」と答える愛だったが、結婚を前提とした付き合いしかしないという。不倫経験のある愛は「もう、あんな苦しい思いをするのは嫌なんです。自分がどんどん嫌な女になるし」と言った。そして、

 

「奥さんの久保田さんへの愛って、なんか、ものすごい覚悟って言うか、底知れない強さみたいなの感じるから」

 

「あなたが私だけを愛してくれるようになったらいつでも付き合います。そうなるまでずっと待っています」と愛は言った。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  愛は正純が好きだけれど、不倫の辛さは味わいたくないと、その晩の正純を拒んだ。そして、ひかりの正純への並々ならない愛にはかなわないと言う。

 

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  正純はひかりだけでなく、愛も失った。ヤケになって街を彷徨う。

 

結局、愛にも振られて、やけ酒を飲み、したたか酔っぱらって町を彷徨いあるいていると、ひかりと姉・美登利(渡辺真起子)から電話が入る。父・作太郎が危篤だと言う。病院へ駆けつける正純。

病院にはひかりを初め、母・仁美(岩本多代)、長姉・美登利(渡辺真起子)、次姉・実結(奥貫薫)と孫たち全員が集まっていた。

 

 

その日、正純がスタジオに入ると、スタッフから番組に対する提案があった。視聴者からのツイートをテロップで流すと言うものだった。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  翌日、スタジオに出向いた正純は、愛を正視できない。あちこちでうまく行かない状況があり、スタッフが集まって企画の話で盛り上がっていたが、どれもこれも気に入らないことばかり。苛立つ正純。

 

正純が人差し指でこめかみをかいた。爆発が迫っている合図である。

正純「調子いい事ばかり言っているけど、結局、数字が欲しいだけだろう!? 自分のつぶやきがTVに出るんじゃないかって、番組見るやつが増えれば数字が上がるかも知れないし…」

板垣「いや別に、ボクはそういう意味で言ってるんじゃあ…」

正純「そういう小手先のことばっかり考えないで、もっと視聴者の胸に突き刺さるような番組を作ろうよ」

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  正純がこめかみを指でかく仕草は苛立ちの合図だった。

 

「俺たちにしか作れない報道番組を作るんだって言う自負と矜持を持ってよ! なんか間違ってる俺?」

 

板垣「もしかして、奥さんとケンカでもしました? 実は俺もまたかみさんに怒鳴られて…」と、板垣は場を取り繕おうとしたが、

正純「いいんだよ、そんなくだらない話は!!」と、とうとう堪忍袋の緒が切れて怒鳴る正純。そして、

正純「お前さ、この頃、上や視聴者の顔色ばっかりうかがって、俺たちのニュースライフを作った原点とか忘れてないか!? 板垣!! 最近、お前が提案するものを聞く度に、がっかりするんだよ。コンプライアンスと数字のことばかりで。少しは番組の先頭に立って、毎日、神経すり減らしているこっちの身にのなってくれよ。スタッフのモチベーション上げて、気持ちよく番組やれるようにするのが、プロデューサーの仕事じゃないのか。それとも何か? 俺と同じくらいの気遣いをお前に求めちゃいけないのか!?」

板垣「すいません」

悄然と答えた。

正純「これからは、家の女房の話しないでくれるか。お前のカミさんの愚痴も、もう聞き飽きたんだ!! 言っとくけど、これは命令じゃないから。おねがいだからな」

風谷「あのー」と割って入ったのは風谷だった。

風谷「ちょっと言い過ぎじゃないですか、久保田さん」「提案の内容はともかく、板垣さんは番組を良くしようと頑張ってるんだし…」

正純「何だとー」激すと、風谷は「すみません」と謝るが、

風谷「生意気言ってすみません。でも、板垣さんはニュースライフを一緒に引っ張って来た相棒なんだし、そんな人にさっきみたいな事言うのは聞きたくないんです。スタッフの私としては…」

と、風谷は譲らなかった。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  愛は正純から板垣やスタッフへの批判を聞きたくなかった。力はなくとも、無いなりに一生懸命にやっているスタッフに思いやりが欲しくて、愛は思い切って正純の発言を嗜(たしな)めたのだった。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  自分のファンとも言うべき愛に嗜(たしな)められて、本番を前に落ち込む正純。

 

正純が本番を前に落ち込んでいると風谷が、

「あのー、さっきはすみませんでした。でもスタッフのみんな久保田さんの事を尊敬しているんです」と慰める。

正純「俺も悪かったよ。ちょっと寝不足でさ。イライラしちゃって」

愛「だったら、そんなに落ち込まないでください」

正純「しょーがないだろう。

 

純粋すぎるって疲れるんだから」

 

愛「でも、ちょっと、可愛いです二人とも。何だか子どもみたいで…」

正純「えーっ」

愛「板垣さんもさっきから久保田さんに話しかけたいのに、さんざん迷っているみたいだし、番組終わったら、お酒でも誘ってあげてください。安心しますから、板垣さん」

正純「分かった」

 

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  ひかりはこの交差点で、祈るように両手を組み、目をとじて渡る。前に愛が何をしているのかと尋ねた事がある。ひかりは「運だめしみたいなもの」と答えた。

 

運命の交差点でひかりを待っていた愛。ひかりが渡るのを制止し、目を閉じて横断歩道を渡ってきた。そして、「渡れちゃいました」と、無邪気に微笑む。

スーパーにやってきた二人。

愛「誤解があったらいけないので、はっきりしておきたいんですけど。この間、久保田さんが家にいらした時、私たち何もありませんでしたから」

ひかり「そうですか」

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  正純とは何も無かったと言いに訪れた愛。「そうですか」とだけ答えるひかりに、契約結婚は続け無理ではないかと言う。そして、正純と別れたくないなら秘密を明かすべきだと言って去った。

 

愛「でも私、久保田さんを好きになってしまいました。奥さんと別れない限り付き合う事はできないって、久保田さんにも言いました。すみません。陰でこそこそしたくないんで…」と言って背を向けて立ち去ろうとすると、ひかりが、

 

「あなたは真っ直ぐな人ですね」

 

と言う。戸惑う愛。

愛「ついでに言わしてもらえれば、あなたがこのまま契約結婚を続けるなんて無理だと思います。久保田さんと一緒に居たいのなら、昔、何があったのか、言うしかないと思います。おっせかいですけど。話はそれだけです」と言い、去って行く愛。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  契約結婚は限界ではないかと言われて胸が騒ぐひかりは、リンゴに手が伸びる。

 

 

作太郎が意識を取り戻した。家族全員が集まる中、父が秘めている事は何か? と迫る娘たち。頑(かたくな)に口を閉ざす作太郎。ひかりは義母・仁美の前に土下座し、

「話してください」

と、懇願する。義母はようやく懺悔を始め、久保田家の姉弟の父、作太郎に対する誤解を解いた。原因は母にあったのだった。(作太郎と仁美に何があったのかは、文末の「それぞれの秘めた思い」に詳しく記します)。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  作太郎の最後が近づき、仁美はついに、子どもたちに作太郎がDVに走ったのかを語った。仁美がいたたまれなく部屋を出て行くと、作太郎は正純を呼び、ひかりから目を逸らすなと言う。

 

「ごめんなさい。ごめんなさい」と言い、仁美が病室を駆け去ると作太郎は正純を呼び寄せた。そして、「ひかりさんの正体を教えてやる」と言うのだった。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  作太郎がひかりの秘密を明かすと言うので緊張する正純とひかり。

 

作太郎「この人はな、心からお前を愛している。だから何があっても手放すな。ひかりさんから目を逸(そ)らすな」

作太郎「俺はお前らに愛されることを諦めたが、俺と同じ過ちはするな。正純、もうお前の顔が見えない」

というと、正純はベッドの前でひざまずき、父、作太郎の手を取った、

作太郎「あったかいんだなあ、お前の手は」

正純「とーさん」

作太郎「悪かったな、正純」

正純「とーさん」

作太郎「母さんに伝えてくれ」

 

「あなたを愛しています」

 

最後の言葉だった。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  目がもう見えないと言うと正純は作太郎の手をとった。「あたたかいなあ」と言う作太郎。正純が「とーさん」と呼ばなくなって何十年が過ぎたのだろう。漸く「とーさん」と呼べるようになった時、別れが待っていた。作太郎の身体をゆすり、正純は何度も「おとーさん」と呼びかけた。

 

 

作太郎の葬儀の日。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー 葬儀場で板垣から、最近、久保田さんがイラついている。原因に心当たりはないかと尋ねられ、心当たりは無いと嘘で答えるひかり。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  正純の苛立は「契約結婚」だと知っている愛だが、ひかりの嘘を飲み込んでいた。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  正純の苛立は「契約結婚」だと知っている愛だが、ひかりの嘘を飲み込んでいた。

 

千春「ほんとにいいの? 今までの6年間が水の泡になってもさあ。契約結婚をしてまでも頑張ってきたのは、あの男に心の底から惚れ抜いて、死ぬまで側に居たくって。でも、自分のせいであいつに迷惑かけるの、死んでも嫌だからだろ。だけどさあ、それも限界だって、あんた、分かってんだからさ。もう、お開きにした方がいいって。この世に、

 

終わらないパーティなんてないんだからさ

 

自分がやってしまったこと、彼に全部話してさ。ね。」

「契約ダンナも、あんたがこうと決めた男なんだろう。

 

あんたが大好きだったお父さんに負けないくらいいい男なんだろう。だったら賭けてみれば。あいつの勇気と優しさに。

 

あー、ドラマの母親みたいなこと言ったら疲れちゃった。正純さんにお悔やみ言っといて」と、言い仏前で手を合わせて帰って行った。

 

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  今日はきちんと話し合って将来を決めようと向き合う正純。

 

葬儀を終えてマンション戻ってきたひかりと正純。正純は改めて話をしようとテーブルにつく。お茶が出される。ひかりにも座るように言う正純。正純は作太郎が暴力を振るう作太郎みたいにはなりたくないと思った。だから、ひかりが契約結婚を言い出し、子どもは作らないと言った時にはホッとしたと言う。でも、今は心から子どもを作りたいと思っている。こんな気持ちになれたのはひかりのお陰だ。もう、ひかりがいないと生きていけない。

 

死ぬまでそばに居て欲しい。

 

と言う。

正純「本当の事を言ったら、俺たちは別れる事になるって。今の幸せが壊れるって。そんな事は俺が絶対にさせない。お前にどんなひどい過ちがあっても、目を逸らさない。だから教えてくれよ。お前の胸に抱えている苦しみを。母さんたちみたいに

 

お互いの気持ちを隠して生きるなんて、

そんな最悪な夫婦になりたくないんだ!! 俺は!!

 

お前は、俺にとって完璧な妻だ。でも、ひとつだけ足りないものがある。俺は、お前が心から笑ったのを見た事がない。

 

お前のほんとうの笑顔が見たいんだ。

 

いや、俺がそうさせてやる。お前が何のためらいもなく、心の底から笑えるような。だから、俺の事を信じてくれ!!」

ひかりは立ち上がり、リンゴを手にして戻ってきた。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  いつも、片時もはなさない「リンゴ」。ひかりにとってリンゴとは何だったのか。そして、そこには衝撃的な暗い過去が横たわっていた。

 

ひかり「初めて逢った時の事、覚えてる?」

正純「もちろん。俺が入院した時、お前は看護士で…」

ひかり「それは2回目」

正純「えっ?」

ひかり「その前に逢っているの、私たち」

正純「どういうことだ?」

ひかり「同じ病院で、その5年前。私は22歳で、まだ看護士じゃなく、ただの入院患者だった」

ひかりがいつも手にしているリンゴに込められた思いが語られようとしていた。

(りんごにはどんな思いが込められているのかは、文末の「それぞれの秘めた思い」に詳しく記します)。

 

 

初めての出会いから契約結婚に至るまでを語った後、ひかりは決心をした。母は「(正純さんは)あんたが大好きだったお父さんに負けないくらいいい男なんだろう。だったら賭けてみれば。あいつ(正純さん)の勇気と優しさに。」と言った。正純は正純で「お前にどんなひどい過ちがあっても、目を逸らさない」と言ってくれたことが背中を押してくれたのである。そして、震えるからだを抑えながらひかりは全てを正純に語った。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  この日の正純に打算も何も感じられなかった。作太郎が死ぬ間際、母が誤解を解いてくれた事で、正純は子どもを作りたいと心からそう思っていた。だから、ひかりは秘密を明かす決心をした。正純の勇気と優しさに賭けてみようと思った。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  「そんな私でよかったら、結婚してください」と思いを告げるひかり。しかし、正純はその場で、ひかりの思いを受けとめる事ができなかった。

 

ひかりは「過去」を語り終えると、目を見開き、驚きを隠せない正純の返事を待った。リンゴを持つ手が震えた。その時、先に目を逸らせたのは正純だった。その時、ひかりは覚悟したのかも知れない。

正純は大きく息を吐き出して、

「今日は、お互い、もう疲れたから、寝よう」

と言う。ひかりは力なく、

「はい」

と答えた。

「明日、ゆっくり話しよう。これからのことを」

「はい」

「おやすみ」と、正純が言い残してその場を離れると、ドアを閉じる音が広いリビングに響き渡った。ひとり残されたひかりは不安に襲われていた。

 

◉付録◉

 

「それぞれの秘めた思い」-1 作太郎と仁美

 

正純の父、作太郎はなぜDVを行うようになったのか。その謎が解き明かされたのは、作太郎がまさにこの世を去ろうとする時だった。二人の娘は、作太郎の今際の際(いまわのきわ)に、是非、秘めた思いを聞かせて欲しいと迫るが、作太郎は口を開かなかった。誤解されたままになるのが悔やまれるひかりは、土下座してまで、その秘密を知る義母・仁美に懇願するのだった。夫の死を前に、もう口をつぐんではいられなくなっていた仁美は堰を切ったように「ごめんなさい」を繰り返し、謝罪するのだった。仁美が語った。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  危篤状態で妻・仁美の懺悔を聞く作太郎。

 

「正純が産まれたばかりで、毎日、子育てに追われていた時、あなたは(私に)疲れていないかって、肩を揉んでくれようとした。でも私、思わず、その手を振り払ってしまった。そしたらあなたの言葉が突き刺さった。お前は、結婚してから一度も俺を愛した事がないって」

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  お父さんは悪くない。悪いのはすべて私ですと、作太郎に懺悔し、子どもたちに謝る仁美。

 

「それで、何て答えたの? お母さん」と長女・美登利が尋ねた。

「もちろん、そんなことないって(答えた)。そしたらその後、お父さん、目を離さないで、私の事、じっと見てた。 本当にそうか? って、責めるように。でも、私は目を逸(そ)らしてしまった。お父さんを見られなくなった。それからなの、お父さんが暴力を振るうようになったのは。ごめんね。ほんとは私のせいなの。あなたたちが辛い思いをしたのは…。ごめんね」。

 

するとひかりが、「お父さんは、お母さんたちを殴りながらいつも思っていたそうです。こんなことしてはいけない、こんなことしてはいけないって。でも、毎日毎日、自分に背を向けて、子どもたちを愛しているお母さんを見たら、自分を抑える事ができなかった。お母さんが、正純さんたちに愛されれば愛されるほど、何だか自分だけが悪いものにされているみたいで、やりきれなくて、ますます暴力を振るってしまった。でも。お父さんは心の中でずーっと叫んでいたんです。俺はお前たちのお母さんを心から愛しているのに向こうは俺の顔も見たくないんだ。お母さんの世界のすべてはお前たちだけなんだ。俺はそれがたまらないんだって」

 

「それぞれの秘めた思い」-2 ひかりのリンゴ

 

ひかりと正純が初めて逢ったのは、正純の記憶より5年も前の事だった。それも、同じ病院で。

正純「お前、やっぱり、何か重い病気だったのか?」と、ひかりの秘密を病気だと思った正純。しかし、ひかりは、

「死のうとしたのだけどできなかった」と言う。

正純「自殺未遂ってことか?」

ひかりは黙ってうなずいた。

ひかり「その頃、私は食事にも手を付けず、誰とも口をきかなかった。そうしたら、あなたが夢のように現れた」

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  ひかりは人とも話せない、食べ物も口にできなかったのに、なぜか正純のくれたリンゴは口にでき、話す事もできた。この人は一体何? と思ったという。

 

正純「食べない?」

ひかり「えっ?」

ひかり「その時、あなたが言ったの。お見舞いでもらったんだけどさ。俺、嫌いなんだよ。かじると寒気がして…。私はまるで不思議な力に誘われるみたいにあなたが差し出したリンゴを受け取っていた。リンゴをかじる私を見ながら、あなたは自分が取材で骨折した話を面白、おかしく聞かせてくれた。私はこの人は一体何なんだろうって思いながら、目が離せなくて、いつまでもあなたを見つめていた」

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  無邪気に取材の事などを楽しく話してくれた正純。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  次第に生きる勇気が出てきたひかり。

 

正純「ごめん。全然覚えていない」

ひかり「あなたはそうやって、他の入院患者の人にも励ますような事をいっぱいしていたから。だからあなたが退院するって聞いて、もう逢えないのかと思うと、怖くて怖くて仕方なかった。そしたらあなたが、最後に言ったの。キミは人を助ける仕事が向いているんじゃないかなあ。例えば看護士とか。キミみたいな人が居たら、またここに入院したいし、俺。だから思ったの。この病院で働いていたら、また、あなたに逢えるんじゃないかって」

正純「それで、ほんとうに看護士になったのか?」

ひかり「あなたに逢いたい一心で生きてたから。5年経って、再開できた時、夢をみているのかと思った」

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  正純との再開が信じられなくて頬をつねるひかり。

 

「それぞれの秘めた思い」-3 ひかりの契約結婚

 

正純と少しでも長く一緒にいられて、迷惑をかけないために契約結婚を思いついたというひかり。

正純「一体、何があったんだ。その高校の先輩と。お前が自殺未遂したのはそのせいなんだろう?」

リンゴを握りしめるひかりの手に、指に力が入る。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  つらい過去を明かすひかりの手にはいつものようにリンゴがあった。

 

ひかり「高校の時、その人と駆け落ちみたいに家出したの。私は彼以外、誰も愛さないと決めていたし、彼も私の事を永遠に愛してくれるって言ってくれたから。でも、妊娠したって分かったら、あの人は急に怖じ気づいた」

ひかり「まだ18歳で父親になる勇気がなくて、親に説得されたら、私を置いてあっけなく家に帰って行った。でも、私は意地でも産んで、自分一人で育てて見せるって思った。アルバイトして、必死で病因代を稼いだ。そして、何とか子どもを産んだ。でも、産まれてきた赤ん坊はなぜか私になついてくれなかった。私を責めるみたいに、毎日、毎日、泣き続けた。いくらあやしてもダメだった。狭いアパートだったから、隣の人や大家さんに怒鳴られるし、役所や病院に相談しても助けてくれなかった。そのうち、お金も無くなって、もう、どうしていいか分からなくなった。エアコンも無い、うだるような部屋でずーっと、あの子の泣き声に耳を塞ぎながら、誰か助けて!! 誰か助けて!! って、心の中で叫んだけど、誰も助けてくれなかった。

私は一人ぼっちだった。だから、私は逃げたの。あの子を部屋に置いたまま逃げたの。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  私は逃げたの! と、絞り出すように告白するひかり。

 

何時間、街をさまよったかわからない。知らない人に誘われて、浴びるほど酒を飲んだ。クラブで狂ったように踊り続けた。街を歩きながらワケの分からない事を何度も何度も叫んだ。いつの間にか朝になっていて、自分がした事の大変さに気づいた。慌てて、アパートに戻った。心臓が破裂するくらい必死に走って、走って、アパートに飛び込んだ時、あの子の体はすっかり冷たくなっていた。あんなにあつい部屋に居るのに、まるで氷を抱いているみたいに冷たくて、いくら暖めても、ちっとも温かくならなかった。保護責任者遺棄致死。

 

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『◯◯妻』第5話 ー日本テレビー  相当な覚悟でひかりの告白に臨んだけれど、あまりに想像を絶する過去に立ち尽くす正純。ひかりを思いやる余裕もなかった。

 

少年院から出てきたら、私を可愛がってくれた父が自殺してた。母はさっさと、他に男を作ってた。好きだった人とは連絡もとれなくなった。私はまた一人ぼっちになった。だから、死のうと思った。けど、死にきれなくて、あの病院へ運ばれて、あなたに逢った。そして、真っ赤なリンゴと生きる希望をもらった。

 

こんな女でもいいなら、

あたしと結婚してください。

お願いします。」

 

ひかりの魂の叫びがこだました。

 

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『◯◯妻』ー日本テレビ

製作総指揮:チーフプロデューサー_伊藤響

演出:猪股隆一 日暮謙 鈴木勇馬

脚本:遊川和彦

プロデューサー:大平太 福井宏 太田雅晴

出演者:柴咲コウ 東山紀之 黒木瞳 平泉成 岩本多代 渡辺真起子 奥貫薫 城田優 蓮佛美沙子/ほか

エンディング:椎名林檎「至上の人生」

—Akitsu

 

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