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共演者が泣かされた『マッサン』1月10日放送分の泉ピン子さんの死に際のド迫力演技に脱帽。

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NHK連続テレビ小説『マッサン』。死期が近づくに連れて早苗・泉ピン子さんの抑えた演技に何かが起こる予感が…。

http://www.nhk.or.jp/massan/

 

去年の秋から始まったNHK連続テレビ小説『マッサン』だけど、物語も半ばを過ぎたというのに、面白かったりつまんなかったり。面白くなりそうでならなくて、という日々です。最初は視聴率20%超えを記録していたのだけれどこのところ芳しくありません。
最初のうちは「好調の理由」という記事も沢山あったけれど、最近は「マッサン視聴率低下の原因」ならまだしも、「マッサンはなぜ失敗したのか」と言う記事まで出る始末。確かに、そんな視聴者の気持ちも分からなくはありません。

私は録画して1日の仕事がすべて終わった深夜に、おもむろにソファーに座りTVやレコーダーのスイッチを入れます。この時、その日に録画した番組が何であったか(毎週予約設定をしているせいで)分かっていません。しかし、NHKの朝ドラだけは、毎日のことだから忘れるはずもありません。『あまちゃん』の時なんかは、「さて、今日の展開は…」とワクワクして観たものです。しかし、『マッサン』はというと、歯がゆいばかりです。見るのがおっくうで貯めてしまうこともしばしばあります。みんなはどう見ているのかと、ネットを探ってみると、私の代弁をしてくれているサイトがありました。以下は引用です。

…開始から2ヶ月たってもウイスキー作りに飛び込んでいかない、煮え切らない主人公に幻滅、
…「職人」のイメージや期待感と、大きなズレを生んでいるのです。
…マッサンはせっかくのオファーにもいろいろ文句や難点をみつけて、仕事をしようとしない。
…ウイスキー作りをあきらめて実家に戻ろうと考えたりする。しかしその割には、実家の日本酒造りに対してもリスペクトや敬愛が感じられない。
…日本の「モノ作り」の価値。そこから見えてくる、日本の職人の特徴や学ぶべき厳しさ、謙虚さ、美点といったようなものが、とても残念なことに、「マッサン」から漂ってこないのです。

もっと詳しく知りたい方は、
「マッサン視聴率低下の原因は、「職人」の描き方と関連がある?」
http://www.huffingtonpost.jp/yumi-yamashita/massan_b_6240338.html
を読んでみてください。

100%その通りだと思いました。玉山くんの演技がどうのという意見もあります。確かに、一本調子な感じはありますね。エリーのシャーロット・ケイト・フォックスさんにも、これといった魅力を発見できないまま中盤にさしかかってきました。ほとんど、もの作り職人の愚痴を聞かされている思いでした。そんな、退屈な物語が展開する中、衝撃的な回がありました。第14週第84回「渡る世間に鬼はない」 2015年1月10日放送分です。
後に知ったのですが演出の梶原登城さんが「芝居の強さに、スタッフも泣きました」というタイトルで、撮影現場を述べています。以下、公式サイトに載せられた梶原さんのコメントです。

本当によくできた脚本だし、ピン子さんもシャーロットさんも思いがしっかり入っているから 、演出が余計なことをしちゃいけない。撮影スタイルはシンプルにして、より生っぽい芝居を撮ることを選択しました。 なるべくカメラを遠くに構えて動かさず、ふたりが芝居に集中できる環境をつくったんですね。 「撮るという意識は捨てて、どうか寄り添ってくれ」とスタッフ陣には伝えました。 だからこそ意識が集中して、いろんな意味でうまくいった気がしています。
そこで生まれたのは、涙ですね。実は脚本の構造として、ここはまだ泣きの芝居場じゃないんですよ。
でも、「ハロー、サンキュー、グッドバイ」というピン子さんのアドリブでぐわっと感情が上がって、 シャーロットさんもそこに引っ張られて、この瞬間に本当の親子のようになった。すごかったですね。 芝居の強さにびんびんくるというか。モニター越しに見ていたスタッフが、みんな泣いちゃってましたから。 人と人が分かり合えるってこんなに幸せなんだ、と感じさせるシーンになったと思います。

http://www.nhk.or.jp/massan/premium/w14.html

梶原さんは「本当によくできた脚本だし…」と語っていますが、私は脚本を評価しません。むしろ「演出が余計なことをしちゃいけない。撮影スタイルはシンプルにして、より生っぽい芝居を撮ることを選択しました」と、これが出来た梶原さんを賞賛するものです。素材が本物であれば、最高の料理人は何もたさない、何も引かない。それが実現した素晴らしい演出でした。
さて、その素晴らしい演出を演出したのは亀山早苗こと泉ピン子さんの演技。これが本物だったということがすべてだと思います。よい演技に言葉はありません。

 

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「まさしさん…ありがと。」「ありがとがんした」

 

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「エリさん。べっぴんなはなよめじゃ」

 

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泣く、泣く、泣く。みんな泣いた。政春の姉・千加子。父・政志。妹・すみれ。政春。エリー。しまじい。

 

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「サンキュ グッドバイ」はピン子さんのアドリブだったそうです。

 

さて、泉ピン子さんはウィキによると「東京都中央区出身の女優、コメディエンヌ、漫談家、歌手」とあります。私が知ったのは1975年に日本テレビ『テレビ3面記事 ウィークエンダー』の番組リポーターでした。並の語り手ではなかったですね。以来、あれよあれよの大活躍。何をやっても最高のピン子を見せてくれていました。『おしん』(NHK)でも良かったですね。ピークというのが見つからないくらい、ずっとピーク、尾根道を歩いている方のようでした。しかし、やはり歳にはかないません。『『テレビ3面記事 ウィークエンダー』の時のような滑舌は失われていきます。2000年代になって(ハンチョウ〜神南署安積班〜(2009年) - シリーズ1・第7話 熊谷はつ子役)、拝見した彼女には老いが見えていました。とは言え、演技は捨てたものではなかったですよ。そして、今回。意地悪な姑にはなりきらないピン子さんでしたが、最後の最後での「大芝居」。たった数分で私は落涙。素晴らしい役者さんです。

彼女の演技がなくなった『マッサン』。後半は何を期待してみたらいいのでしょうか。脚本の羽原大介さんの覚醒に期待します。

 

  

—Akitsu

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