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Team 片手業・TV : 新番組、第1話、時代劇、水戸黄門、視聴談など

竹野内豊さんのステキな『素敵な選TAXI』…運命は変えられるか? 

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『選TAXI

http://www.ktv.jp/sentaxi/index.html

 

TVドラマの今期は、米倉涼子さんの『DOCTOR-X 外科医・大門未知子』、定番の水谷豊成宮寛貴さんの『相棒』、綾瀬はるかさんの『きょうは会社休みます』、武井咲さん+綾野剛さんの『すべてがFになる』、関ジャニの錦戸 亮くんと満島ひかりさんによる『ごめんね青春!』など、こうしてみると強力なキャストを配した新番組がオンエアされていますね。それらの中で、この『選TAXI』は地味な部類です。当然のように、オンエア当初は、視聴率も伸び悩んでいましたが、徐々に評価が高まってきて、好調のようです。
この秋にオンエアされた番組の平均視聴率は、「ぼちぼち どらま WEB」さん調べによると以下の通り。
中には、『地獄先生ぬ~べ~』のように初回こそ視聴率が2桁だけど、2回目は7.9%に急落するなど、一度は期待して観たけれど、視聴者が離れて行くというような現象も見られます。

 

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視聴率で群を抜く『Doctor-X  外科医・大門未知子』

http://www.tv-asahi.co.jp/doctor-x/

 

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奇想天外の時代劇『信長協奏曲

http://www.fujitv.co.jp/nobunaga-concerto-drama/index.html


1.ドクターX 3(テレ朝)
2.相棒13(テレ朝)
3.きょうは会社休みます。(日テレ)
4.軍師官兵衛NHK
5.信長協奏曲(フジ)
6.科捜研の女(テレ朝)
7.ディア・シスター(フジ)
8.素敵な選TAXI(フジ)
9.地獄先生ぬ~べ~(日テレ)
10.すべてがFになる(フジ)

 

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ロジックな推理もの『すべてがFになる

http://www.fujitv.co.jp/F/index.html

 

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クドカンによる『ごめんね青春!』

http://www.tbs.co.jp/gomenne_tbs/


11.Nのために(TBS)
12.SAKURA(TBS)
13.ごめんね青春!(TBS)
14.黒服物語(テレ朝)
15.ボーダーライン(NHK

 

以上「ぼちぼち どらま WEB」さん調べ

http://www.geocities.jp/keithsaito/index.html


この他、気になるところで西島秀俊+香川照之さんの『MOZU Season2』(TBS)が期待に反して19位、深田恭子+寺島しのぶさんの『女はそれを許さない』(TBS)も伸び悩み、20位、岸谷五朗さんの『ぼんくら』に至っては21位になっています。これを見たら並みいる強豪番組の中で、比較的じみーな『選TAXI』がトップテン入りしているのは思いのほか頑張っていますね。

この番組、脚本がバカリズムさん。不明にも、私、この方を存じ上げませんでした。その名前からして普通の脚本家ではないだろうと思っていましたが、
この稿を書くにあたって少しだけ調べた所、バカリズムさんは、お笑いユニット、ピン芸人、ナレーター、俳優、脚本家、作詞家とありました。やはり、並の人ではなかったです。さらに驚いたことに、出身が福岡県の田川だとか。さらに飯塚高等学校の出身だとか。私はその田川と飯塚に挟まれた小さな町で産まれ、育っています。急に親近感が増してきました。しかし、エコ贔屓ではなく、この番組は面白いです。

 

まず、『素敵な選TAXI』というタイトル。「選TAXI」は「選択肢」のシャレだとは誰でもが気づくとこですが、私の心に留まったのは、それより前にある「素敵な」でした。私の日常ではあまり使わない言葉なのです。「素晴らしい」「いいね」とか「凄い」「さすが」だとかの褒め言葉しか使っていません。「すてき」「ステキ」「素敵」はちょっと気恥ずかしい思いがするのです。それは否定的なのではありません。褒め言葉として使う時に「適当(いい加減)?」には使えない気がするのです。

 

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三国志』(1) 横山光輝(潮漫画文庫)


読み物の編集をやっている友人が「白眉なんて簡単に使って欲しくない」と、誰かの作った書籍の「帯のキャッチ」に憤慨していたことを思い出します。
白眉とは、三国時代、蜀の馬良馬謖ら5人の兄弟は、5人とも字に「常」の字が付くので馬氏の五常と言われていました。5人揃って能力が優れていると評判でしたが、中でも四男の馬良が最も優れていました。そして、彼の眉に白毛が混じっていました。「馬氏には5人の"常"がいるが、白い眉の"常"が最も良い」と言うことから、白眉という言葉が生まれました。
つまり、秀才中の秀才と言うか、何百年に一人という天才のことなのですね。その友人は、早稲田に通っていた頃から『三国志』『三国志演義』の大のファンで、「白眉」には特に思い入れが強かったようです。
ニュアンスは違っていますが「素敵」という言葉の響きに、私はそうした「簡単に使えない」何かを感じているのです。だから、過去に何度か私の作った本を『素敵』と言われた時には、心臓がドキドキし、舞い上がったものです。と、そんなワケで『選TAXI』という駄洒落だけで済ますことなく、「素敵な」と、形容したことに並々ならぬセンスの良さを感じました。

 

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至る所で配置されている「枝分マーク」

 

このドラマ、至る所に遊びがあり、楽しいですね。主人公(竹野内豊さん)の名前が「枝分」。最初は名字だとばかり思っていましたが、「枝」が姓で、「分」が名前のようです。つまり、人生の岐路が名前になっているのですね。そしてそれはマークとなって、車のボディやキーホルダーなどの至る所に配されています。こうした、ドラマで作られたマークなどは比較的ダサイ仕上がりのものが多いですね。先日、妻と見た『舟を編む』で出てきた辞典(大渡海)だけれど、あれだけの大作の中で使用するにはあまりにも幼稚な装丁でした。思い入れで観ていただけに二人してシラケてしまいました。しかし、この「枝分マーク」は「素敵」です。

 

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選TAXIに使われているトヨタ・クラウン4代目。4ドアセダン2000スーパーサルーン(後期型)愛称:クジラ

http://news123.info/416.html


見どころはまだまだあります。何と言っても車ですよね。『選TAXI』という具合だから、車は、ほとんど主役です。その主役の車は、「moco☆moco」さんによると、トヨタのクラウンだそうです。興味のある方はそちらのサイトを覗いて見てください。ちなみに、上の画像でナンバープレートは白ですが、ドラマの中では「湘南513 る 10-00」とあります。意味は不明。さらにボディには「T-2200 無線」とあり、これは「tuesday 22時放送」を意味するとか。

file:///Users/user/Desktop/Akitsu%20Blog/01_TV/2014.12.12_選TAXI/竹野内豊乗務のタクシー車種はクジラ?%20%7C%20moco☆moco.webarchive

 

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ダットサン・ブルーバードP312型

http://ja.wikipedia.org/wiki/日産・ブルーバード#mediaviewer/File:1962_Datsun_Bluebird_01.jpg

 

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マツダR360クーペ

http://blog.goo.ne.jp/yogorouza_1979/e/cb4f281a93618237f3b257b34bc55e71

 

敢えて古い時代の車を使ったのは、現在の車のデザインが失ってしまった「風格」「個性」があるからでしょうね。
私も中学、高校時代は「いつかは車を運転する」などと思って、すれ違う車の車種を覚えていました。ダットサン・ブルーバードP312型は中学の時に先生が車で登校してきて大騒ぎ。マツダ・R360クーペは通学コースにある一軒家の前に真っ赤なのが置いてあって、通学の行き帰りに、しばし佇んで見ていました。プリンス・グロリアS40型系、プリンス・スカイライン・スポーツ はもう憧れでしたね。さらに日産セドリックは当時放映されていた『特別機動捜査隊』(テレビ朝日)で警察車両として出演していたものを見てうっとりでした。この頃のトヨタにはあまり興味がなかったです。このドラマに出てくる「トヨペット・クラウン」は1970年以降のものだそうです。その頃の私はトヨタGT2000に入れこんでいました。ざっと思いだしたものだけでも、全てが個性が強くて、強い印象を残しています。最近の車はブランドマークを見ないと判別がつきにくいですよね。しかし、当時のものはすれ違っただけで、またはテールを見ただけで見分けられました。

 

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トヨタGT2000

http://images2189.seesaa.net/article/253336652.html

 

ドラマは、必ず喫茶店から始まりますが、その名も「choice(選択)」。徹底して遊んでいますね。筋立てとは離れた所で遊ぶのは、制作者(お金を出す人)としてはハラハラするところです。ただではないですからね。お金をかけた分、視聴率などで戻ってくるかどうか、はなはだ疑問です。ほとんどの場合、小心なプロデューサーがボツにしますね。しかし、遊びのないエンターテイメントはつまらないです。ケチったおかげでチャンスも遠のくというものです。

 

遊びはまだあります。
このTAXIはいわゆるタイムマシーンなのです。未来に行くかどうかはわかりませんが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンのように過去へ戻ってくれます。あの映画での過去へ戻る時の演出は凄かったですよね。しかし、このドラマでは、予算も無いことだし、あんなふうな派手な演出はありません。その辺の町をすーっと走っているうちに戻ってしまいます。そこで枝分さんは「そんな感じがしませんよね」と、らしい音楽を流してみたり、ゴーグルを用意したり、それらがすべて乗客にとって「寒ーいギャグ」になっていて、笑えます。予算が無いならないなりに頭を使って視聴者を楽しませるという、制作スタッフの心意気が伝わってきます。

 

さて、運賃は?
過去に戻す料金は、最初の10分、つまり初乗り? で 3,000円。その後、1分経過するごとに330円です。10年もどると約17億。第7話で、貫地谷さんが「あの頃(10年くらい前)に戻ろうか」というシーンで、「〜億かかります」と枝分さんが言います。そして、枝分さんはそこまで遡ると、選択肢が無数に存在して、今とは全く違った生き方になり、現在から想像できる範囲ではないから止めた方がいいと諭します。確かに、五分前に買ったアイスがまずかったから、五分戻してもらってという具合なら結果が想像できて、失敗の確率は少ないですよね。もっとも初乗り3000円払って、アイスを取り替えるという例えがいいかどうかは疑問ですが…。それが十年前となると、その後の十年間、無数の選択を強いられるわけだから、一度の選択を変更したところで幸福な結果を得られる確率は五分五分となります。それに、結局、いい人生は「お金持ち」にしかないということにもなりかねません。それでは、ドラマの楽しみが半減しますね。

 

ドラマのイントロ。
どこかで聞いたような…、と思っていました。映像を含めて『スパイ大作戦』だと、一旦、そう思っていました。その後、またひとつ思い浮かびました。『古畑任三郎』のオープニングです。どちらが正しいかは分かりませんが、共通するのは、「今から始まるぞ感」が同じなのです。なんだか嬉しくなる音楽です。

 

さて、夜も更けて? まいりました。もう少し、お付き合いを…。


昔、「痩せる教室」というところでアルバイトをしていました。1クール(ひと月)に10人ばかりの女性が集まっていました。痩せるって、どこをどう痩せるのというような、ツイッギー人気が収まらない頃だったせいもあるでしょうが、スマートな女性がほとんどで、肥満した人は2割もいませんでした。話を聞くと、それは痩せるというより「変身願望」なのでした。「変身」は、雑誌の特集などで外せないテーマになっています。と、同様に、「選択」というのも外せないテーマです。実は選択を変更するというのは「変身」なのです。

 

ドラマのオープニングにあるように、学校、仕事、伴侶などなど、人生には大きな分岐点があり、それを失敗した人を、分岐点まで戻すというのがこのドラマの仕掛けです。「そうあったらいいなあ」と観ている人もいるでしょうね。単純に作り話として楽しんでいる人もいるでしょう。しかし「選択」という身につまされる現実は誰もが、いつも抱えている事実です。結果が分かっていれば「選択」は迷わないし、難しくもないです。しかし、見えない、やり直せないから迷いが産まれます。さらに、「失敗したくないという消極的な欲」もあり、ますます迷うわけです。

 

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両子寺は大分県の国東(くにさき)半島中央部、両子山中腹にある。


九州の大分県に国東半島があります。ほぼ中央に両子寺があります。この辺りを天台の六郷満山と言うので、天台宗のお寺さんだと思います。そこは子授けで有名です。聞くところによりますと、その辺りに子どもが待っていて、子どもが欲しい人がお詣りに訪れると、その中から親を選ぶのだそうです。俗に「親は子を選べるけれど。子は親を選べない」と言いますが、仏法の世界では逆なのです。子は親を選んで産まれてくるのです。この話は長くなるので割愛しますが、「選ぶ」「選ばれる」と言うのは、実はそれそのものが運命を左右するものなのです。

 

人間の体に随意筋と不随意筋と言うのがあります。随意筋とは読んで字のごとく、意のままに動かすことのできる筋のことで、不随意筋は意のままにならない筋、例えば心筋などのことです。また、自律神経系と体性神経系というのもあります。これも前者が循環、呼吸、消化、発汗・体温調節、内分泌機能、生殖機能、および代謝のような不随意(意のままにならない)な機能を制御するもので、体性神経系は感覚神経と運動神経とがあります。運動機能に関わるものです。このように「思うようになるもの」「思うようにならないもの」が人間を覆っています。

 

さて、「選択」ですが、それも然りです。意識して選んでいるもの、無意識に選んでいるものがあります。受験、就職、結婚など、自分で調べたり、考えたりで「思うがママ」に選んでいますが、例えば、今日、家を出る時、どちらの足から出たとか、家に戻った時にはどちらの足から入った等々、一日を思い出してみてください。どれだけのことに(選択の)意志が働いているでしょうか? 意のママにえらんでいると言う訳ではない選択は無数に存在しています。意識して選んでいる受験、就職、結婚などは、それらの中の一つに過ぎないのです。

 

「選択」の積み重ねが運命を決めているのなら、受験、就職、結婚などの意識して選択したことだけで人生は決まらない。むしろ無意識下で選んだことで人生が決定している可能性の方が大きいと言えるのです。過去に戻ってやり直せる『選TAXI』があれば、人生がやり直せて便利です。しかし、現実ではそれは選択の一部でしかありません。ドラマだと見ていて楽しいけれど、現実はやり直すことのできない、無意識の選択で私たちは自分の人生を生きています。剣術に無手勝流(闘わずして勝つ)というのがありますが、無意識に行っている選択が間違わないようにすることはできないでしょうか? あれば、それこそ究極の『選TAXI』かもしれません。

 

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竹野内豊さん&倉科カナさん

http://www.walker47.jp/article/detail/1_543c8c055a94a

http://hachigen.com/2663.html

 

竹野内豊さんはこのドラマでイメージが変わったという視聴者が沢山いらっしゃいますね。好感度を増しているそうです。ドラマに出会って「変身」されたのでしょうか。ともあれ、かの倉科カナさんとの出会いから、何かが大きく動き出しているのかも知れませんね。お幸せに…。

 

—Akitsu

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三国志 (14) (潮漫画文庫)

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三国志演義〈1〉 (ちくま文庫)

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